シニア猫にキャットタワーは本当に必要なのでしょうか。
「猫には運動が大切だから。」
「上下運動ができた方がいいと聞いたから。」
そんな理由で、置いた方がいいのか迷っている方も多いと思います。
一方で、登らない様子を見たり、使われずに置物のようになっていたりすると

本当に必要だったのかな…
と後悔することもありますよね。
結論からお伝えすると、シニア猫にキャットタワーが必要かどうかは一律に決められるものではありません。
年齢や体の状態、家の環境、そして猫ちゃん自身の性格によって必要になる場合もあれば、なくても問題ない場合もあります。
大切なのは置くべきかどうかではなく、今の猫ちゃんにとって安心して過ごせる環境になるかどうかという視点です。
この記事では、シニア猫にキャットタワーは必要なのかどうかを、年齢別の考え方や後悔しないための判断ポイントとあわせて整理していきます。
すでに置いている方も、検討している方も

うちの場合はどうだろう?
と考えるヒントとして、読み進めていただけたらうれしいです。
目次
シニア猫にキャットタワーは本当に必要なのか?

「猫にはキャットタワーが必要。」
そんな言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
確かに、上下運動ができる環境は猫ちゃんにとって大切な要素のひとつです。
高い場所に登ったり、周囲を見渡したりする行動は、猫本来の習性でもあります。
ただし、この考え方はすべての猫ちゃんに当てはまる前提ではありません。
特にシニア期に入ると、体の状態や感じ方は若い頃とは大きく変わってきます。
そのため「必要かどうか?」というのは、年齢や環境を切り離して語ることができないテーマなのです。
「猫には必要」という前提が生まれた理由
キャットタワーが「必要なもの」と言われるようになった背景には、運動不足を防ぐ目的があります。
室内飼いが一般的になり、上下運動が取りづらい住環境では、キャットタワーが運動の手段として役立ってきました。
この考え方自体は、決して間違いではありません。
若い猫ちゃんや活動量の多い子にとっては、有効な選択肢のひとつです。
シニア期になると必要性の考え方が変わる
一方で、シニア期に入ると、運動させることよりも無理をさせないことの方が重要になってきます。
ジャンプの高さや体をひねる動きが以前より負担に感じられるようになると、キャットタワーがかえって使いづらい存在になることもあります。
その結果、登らなくなったり途中までしか使わなくなったりするケースも珍しくありません。
こうした変化を見て
「必要なのに使ってくれない…」
と考えるよりも、今の体に合っていない可能性を考えてみることが大切です。
必要かどうかは「今現在の猫の様子」で判断する
シニア猫にキャットタワーが必要かどうかは、一般論で決めるものではありません。
こうした日常の様子を見ていくと、必要かどうかの答えは自然と見えてきます。
キャットタワーは、必ず置かなければいけないものではありません。
必要な場合もあれば、なくても問題ない場合もあります。
まずは、必要かどうかを正解・不正解で考えるのではなく、今の猫ちゃんに合うかどうか?という視点で考えてみましょう。
シニア猫にキャットタワーが必要になるケース

シニア猫にキャットタワーが必要かどうかは一律に決められるものではありませんが、環境や猫ちゃんの様子によっては役立つケースもあります。
「シニアだから不要」と決めつけるのではなく、どんな場合に意味を持つのかを知っておくことで、判断がしやすくなります。
上下運動がほとんど取れない環境の場合
住まいのつくりによっては、猫ちゃんが自然に上下運動できる場所がほとんどないこともあります。
床とあまり変わらない高さの家具が中心で登れる場所が少ない場合、キャットタワーが貴重な居場所になるでしょう。
ただしシニア猫の場合、高い位置まで登らせることが目的ではありません。
低めの段差で無理なく移動できる構造であれば、安心して使える上下運動の場として役立つことがあります。
安全に使える高さや構造が確保できる場合
シニア猫にキャットタワーが必要かどうかは、その子が安心して使えるかを基準に考えることが大切です。
こうした条件が整っていれば、キャットタワーは負担ではなく、安心できる居場所になります。
逆に、高さがありすぎたり不安定な構造だったりすると、必要どころか使われない存在になってしまいます。
猫自身がキャットタワーを好んで使っている場合
シニア猫であっても、高い場所を好み、キャットタワーで過ごす時間が長い子もいます。
そうした場合は
「年齢的に不要かも?」
と急に取り上げる必要はありません。
今まで通り安心して使えているのであれば、キャットタワーはその猫ちゃんにとって必要な存在だと言えるでしょう。
大切なのは年齢だけで判断せず、猫ちゃん自身の様子を基準にすることです。
シニア猫にキャットタワーが必要でないケース

シニア猫にとって、キャットタワーは必ずしも必要なものではありません。
むしろ無理に置かない方が安心して過ごせる場合もあります。
ここでは、キャットタワーがなくても問題ないケースについて整理してみましょう。
すでに家の環境で上下運動が足りている場合
二階建ての家や段差のある間取りでは、日常生活の中で自然に上下運動ができていることがあります。
階段を上り下りしたり、低めの家具を移動したり。
そうした動きが取れていれば、あらためてキャットタワーを用意しなくても運動不足になるとは限りません。
シニア猫にとっては、こうした慣れた動線の中での動きの方が安心感につながることも多いのです。
登らない、使わない様子が続いている場合
キャットタワーを置いてもほとんど使われていない。
そんな状態が続いている場合、必要ないという猫ちゃんからのサインかもしれません。
無理に使わせようとするとかえってストレスになったり、体に負担をかけてしまうこともあります。
シニア猫の場合、使わない理由は気まぐれではなく、体の変化や不安感によるものであることも少なくありません。
こういった場合は使わせる工夫よりも、使わなくても困らない環境を整える方が大切です。
🐾 キャットタワーに登らない様子が続くと「なぜ使わないのだろう?」と悩んでしまう方も多いと思います。
シニア猫がキャットタワーに登らなくなる理由や見直しのヒントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
無理をさせることで負担が大きくなる場合
シニア猫にとって、キャットタワーが負担になってしまうケースもあります。
こうした様子が見られる場合、必要だからという理由で使わせるのはおすすめできません。
キャットタワーを置かない選択も立派な判断です。
今の猫ちゃんが、無理なく安心して過ごせているかどうか。
それを基準に考えることが、シニア猫との暮らしでは何より大切です。
シニア期のキャットタワーで後悔しやすいポイント

シニア猫のために良かれと思ってキャットタワーを用意したのに、あとから
「こうすればよかったかも?」
と感じてしまうことは少なくありません。
その多くは、選び方そのものが間違っていたというよりも、若い猫ちゃん向けの基準をそのまま当てはめてしまったことが原因になっています。
ここでは、シニア期のキャットタワー選びで後悔しやすいポイントを整理します。
若い猫向けの基準で選んでしまう
キャットタワーを探すと
「運動量アップ」
「活発な猫におすすめ」
といった言葉をよく目にします。
ですが、こうした基準は若い猫ちゃんを想定したものがほとんどです。
シニア猫にとっては、高さや段差が多い構造が必ずしも良いとは限りません。
若い頃と同じ感覚で選んでしまうと、使われなかったり無理をさせてしまったりと、後悔につながることがあります。
高さや安定感が十分に考えられていない
「せっかくなら高さがあったほうがいい。」
そう思って選んだ結果、実際にはぐらつきや不安定さが気になり、使われなくなってしまうケースもあります。
シニア猫にとっては高さよりも、安定して登り降りできるかどうかの方が重要です。
安定感を後回しにしてしまうと、猫ちゃんが警戒して使わなくなり「失敗した」と感じやすくなります。
使われなかったときのことを想定していない
もう一つ、後悔につながりやすいのが
「使われなかったらどうしよう。」
という視点を持っていなかった場合です。
置いたのに使われないと、がっかりしたり無駄にしてしまったような気持ちになることもありますよね。
最初から、使われなかった時のことも想定しておくことで、気持ちの負担はぐっと軽くなります。
この考え方は後悔しない選び方につながり、次の判断もしやすくしてくれます。
🐾 シニア猫のキャットタワー選びでは「良かれと思って選んだのに、結果的に失敗だった。」と感じてしまうケースも少なくありません。
キャットタワーで失敗しがちな理由や後から見直すポイントについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
シニア猫の年齢から考えるキャットタワーを見直すタイミング

キャットタワーを見直すタイミングは、壊れたときだけとは限りません。
シニア猫と暮らしていると、年齢とともに、体の使い方や過ごし方が少しずつ変わっていくのが分かります。
その変化に合わせて、キャットタワーも
「今の状態に合っているか?」
という視点で見直すことが大切です。
年齢とともに変わる体の使い方
シニア期に入ると、若い頃のように勢いよくジャンプしたり、高い場所に登ったりする動きが減ってくることがあります。
これは、体力やバランス感覚の変化による自然な現象です。
以前は問題なく使えていたキャットタワーでも、今は
といった様子が見られる場合、体の変化が影響している可能性があります。
こうした変化は、キャットタワーの寿命を考えるひとつのサインでもあります。
「まだ使える」と「今も合っている」は違う
キャットタワーを見直すとき、つい
「まだ壊れていないから」
と考えてしまいがちです。
ですが「物として使える」ことと「今の猫ちゃんに合っている」ことは、必ずしも同じではありません。
シニア猫の場合、無理なく使えるかどうかが何より重要です。
そんな様子が見られる場合は
「まだ使える」ではなく
「今も合っているか?」
という視点で見直してみる必要があります。
寿命は年数ではなく相性で考える
キャットタワーの寿命は、何年使ったかという数字だけで判断するものではありません。
今の猫ちゃんの体や性格、暮らし方に合っているかどうか。
その相性が、寿命を決める大きな要素になります。
年齢を重ねる中で、キャットタワーが合わなくなることは決して珍しいことではありません。
年齢の変化に合わせて
見直す、手放す、置かない。
どの選択も、シニア期の猫ちゃんを想っての判断です。
🐾 「まだ使える気がするけれど、このまま使い続けていいのかな?」
と迷ったときは、キャットタワーの寿命の考え方を整理しておくと判断しやすくなります。
寿命の目安や見直すタイミングについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
それでもキャットタワーを検討するなら意識したい選び方

ここまで読んで

必ずしも必要ではないのは分かった。
でも、もし置くとしたら?……
そう感じた方もいるかもしれません。
シニア猫にとってのキャットタワーは、若い頃のように運動量を増やすためのものではなく、安心して過ごすための居場所という意味合いが強くなります。
その前提に立ったうえで、検討するときに意識しておきたいポイントを整理しておきましょう。
高さを抑えるという考え方
シニア猫向けのキャットタワー選びでまず見直したいのが「高さ」です。
高いほど運動になるという考え方は、シニア期には当てはまらないこともあります。
無理なジャンプが必要な高さは、体への負担になりやすく、使われなくなる原因にもなります。
低めでも落ち着いて過ごせる段差や居場所があれば、それで十分なケースも多いのです。
ぐらつきにくさ・降りやすさを重視する
シニア猫は、登るときだけでなく降りるときにも不安を感じやすくなります。
そのため、揺れにくい構造かどうか、足を置く場所が分かりやすいかどうかはとても大切なポイントです。
安定感があるだけで猫ちゃんの警戒心はぐっと下がります。
結果として、使わない状態を防ぐことにもつながるでしょう。
使われなかったときの気持ちの負担を減らす視点
シニア猫向けのキャットタワー選びではもう一つ、飼い主さん側の気持ちにも目を向けておきたいところです。
せっかく用意したのに、あまり使われなかった。
そのとき、失敗したと感じてしまうと気持ちがつらくなりますよね。
たとえば部屋に自然になじむ形で置けるものなら、猫ちゃんが使わなかったとしても、暮らしの一部として受け止めやすくなります。
「使われなかったらどうしよう。」
という不安を減らすことも、後悔しない選び方の一つです。
🐾 シニア猫向けにキャットタワーを検討する中で「もし使われなかったらどうしよう。」と不安になる方もいるかもしれません。
そんなときは、猫ちゃんが使わなかったとしても、暮らしの中で無理なく受け止められる選択肢を知っておくと気持ちが少し楽になります。
シニア猫との暮らしを前提に考えた、家具としても使えるキャットタワーの選択肢については、こちらの記事で詳しくまとめています。
まとめ|シニア猫にキャットタワーが必要かどうかの答え

シニア猫にキャットタワーが必要かどうか。
この記事を通してお伝えしてきたように、その答えは
「はい」
「いいえ」
のどちらか一つに決められるものではありません。
年齢や体の状態、家の環境、そして猫ちゃん自身の性格や行動。
それらが重なり合って
「今のその子にとって必要かどうか?」
という答えが見えてきます。
キャットタワーが安心して過ごせる居場所になる場合もあれば、なくても十分に満たされている場合もあります。
どちらが正しい、どちらが間違っているということはありません。
大切なのは
「猫には必要だから。」
「みんな置いているから。」
という理由だけで決めるのではなく、今現在の猫ちゃんが無理なく落ち着いて過ごせる居場所になるかどうかという視点を持つことです。
置かないという判断も見直すという選択も、どれも猫ちゃんを想って考えた結果。
それ自体がシニア猫との暮らしにとってとても大切なことです。
これからも、年齢や変化に合わせて、そのときどきの最適な形を選んでいけたらいいですね。
あわせて読みたい🐾
-

老猫にとって階段が危ない場所に変わる時のサインと簡単な対処法7選
-

シニア猫さんにやさしい家具の選び方|段差・安定・素材のポイントを解説
参考資料
- International Cat Care:Making your home cat friendly(猫にやさしい住環境)
- International Cat Care:Arthritis in cats(猫の関節炎・痛みと環境調整)
- Cornell Feline Health Center:Is Your Cat Slowing Down?(動きが鈍い・ジャンプしない等のサイン)
- Animal Medical Center:Helping Your Senior Cat with Impaired Mobility(シニア猫の移動・段差への配慮)
- AAFP:Indoor/Outdoor Lifestyle Position Statement(屋内飼育の環境充実の重要性に言及)


